Interview

髙田
職種:経営戦略・経営管理
部門:経営管理部門
専攻:商学部 経営学科
事業全体を俯瞰し、好奇心を刺激される仕事
新卒で入社してから約8年間、一貫して企画部門でキャリアを積み上げてきました。はじめは製品領域ごとに分かれた事業部に属し、事業計画や原価企画を担当。現在は経営管理部に属してデンソー日本法人全体の損益を管理しています。いずれも数字と向き合い続ける仕事ですが、実は、入社当初から高度な専門知識があったわけではありませんでした。
就職活動時、会社選びの軸は「直接的に社会に貢献できる仕事であるかどうか」。無形商材より有形商材の方がそのイメージが湧きやすく、複数のメーカーへエントリーしました。その中でデンソーは事業のスケールが大きく、製品分野も幅広いことに魅力を感じましたね。加えて、決め手となったのは“人”です。リクルーティングというと、学生を囲い込むような企業もめずらしくない印象です。しかしデンソーの人たちは、「色々な会社を見て、悩んだ上で当社を選んでくれたら嬉しい」と、あくまで相手の意思を尊重してくれる姿勢に心惹かれました。
入社後にメーターやヘッドアップディスプレイなどを取り扱うコックピット事業部の企画部門にアサインされた当初の印象は、「難しそう」。けれど、すぐにその面白さにのめり込んでいったのです。ミッションは、コックピット事業全体の年度計画を立案し、目標達成に向けて実績をフォローしていくことです。10月ごろに本配属され、はじめは教育担当の先輩と一緒に作業をしました。12月には早速次年度の計画策定が佳境を迎え、1年目ながら事業の中核で働く手触り感を味わうことができました。
数字だけでなく技術的な知識も必要になりますし、当然わからないことはたくさんありました。だからこそ、毎日自分が成長していく実感があったのを覚えています。事業全体を俯瞰することができ、採算状況も把握できる。知れば知るほど好奇心を刺激する仕事だと感じました。
経営と現場の橋渡し役に
最初に「大きな仕事を任された」と感じたのは、同じ事業部の原価企画担当から提出してもらう分析帳票の改善です。原価企画は、製品の原価管理や事業戦略を担当しているチームで、事業計画と隣合わせのポジション。この帳票は簡単にいうと、次年度の生産計画に対して正しい売価と原価の情報を付与できているかを検証するためのもの。つまり事業部全体の利益計画の根幹となる非常に重要な帳票ですが、その数字の精度に課題があり、計画と実績に乖離が発生することが少なくありませんでした。
従来は担当者それぞれが異なった観点で分析を行っており、精度にバラつきがあったり、事業計画として必要な情報が揃っていないことも。そこで上司や原価企画チームのリーダーに協力を仰ぎ、まずは「どういう帳票なら分析しやすいか」をヒアリングしました。すると事業計画と原価企画で、それぞれ分析の観点にズレがあり、結果的に数字の乖離に繋がっていることがわかったのです。そこからは、ユーザーである原価企画の視点を大事にしながら、丁寧に擦り合わせを実施しました。
一つずつ問題点をつぶし、新しい分析フォーマットを作成、運用をスタート。初年度の反省をまた次年度に活かして——と改善を重ね、事業企画・原価企画双方にとって分析しやすい運用を確立しました。この仕事を任された当時、私はまだ入社1年目です。にもかかわらず、組織の現状を見直すような仕事を任せてもらえるのかと、モチベーションがぐんと上がりました。同時に、若手に大きな裁量を与えるデンソーの文化を肌で感じた、一つ目の経験です。その後、“任せてもらえる感覚”はさらに強くなっていきます。
3年目になると、役割が広がっていきました。売上と材料費を管理する立場から、経費等も含めた全体を俯瞰して、PL(損益計算書)を組む立場になったのです。大きく変わったのは、報告先です。相手は先輩でも直属の上司でもなく、事業部長。もちろんプレッシャーは大きかったですが、製品分野ごとにディビジョンを分けているデンソーだからこそ、こんなに早く重責を担うことができたのかもしれません。これは成長のチャンスだと、意欲に燃えました。
経営と現場の“橋渡し役”になったことで、あらためてわかったことがあります。それは実務の目線と、経営の目線にはギャップがあるということです。たとえば月次報告では、経営層は膨大な数字の羅列ではなく、要点を求めています。データのどこを抽出して、何を伝えるべきなのか。いわば数字や事実を、概念的なメッセージに“翻訳”するような作業でした。ミスをしたこともあります。
技術部の状況について誤った伝え方をしてしまい、事業部長と技術部の双方から指摘を受けてしまいました。見落としていたのは、“現場の状況”。数字ばかりに気をとられ、実態との間にズレが生じていたのです。もっと各部門と丁寧に対話しなければならない——この失敗から学んだことは、今も大切にしています。
同時に、こうしてトライ&エラーを通じて自らを成長させることができるのは、若手のうちから製品ごとに担当が付き、大きな裁量を持たせてもらえるからこそ。デンソーだからこそ経験できた幸運な失敗だとも感じました。
「事業の目線を、忘れるなよ」
折しもこの経験の後、2022年に原価企画へ異動になりました。事業計画に比べて、技術系の部門とのコミュニケーションがより多く、いっそう製品を理解した上で仕事を進めなければならないポジションです。
設計、生産技術、営業、調達などさまざまな部署と関わりながら、いかに事業の採算性を高めていくか。わずか2年の間でしたが、それまで痛感していた対話の重要性がさらに深く刻み込まれ、また「モノづくりに携わっている」という意識がより強くなる期間でもありました。
製品に対する誇りが芽生え、学生のときに思い描いていた社会貢献性を実感したのです。自分が担当した製品を搭載した車が、街を走っているのを見たときは本当に嬉しかったです。
現在所属する経営管理部に異動したのは今から約2年前のことです。実は原価企画に異動する前から上司に希望を伝えていたのですが、だからこそ一度、原価企画を経験してほしいということでした。
そのときは「なぜだろう」と思いましたが、製品と正面から向き合う2年間の職務を経験してみれば、なるほど納得です。同僚からも、異動に際して「事業の目線を忘れるなよ」と釘を刺されました。「“計画のイロハ”も、“製品のリアル”も伝えた、さあいってこい」というわけです。ワクワクするとともに、この人たちの期待を裏切ってはいけないと気が引き締まりました。
どんなチャンスも掴める会社
経営管理部はデンソー全体の損益管理を担っており、私はその中でも最も規模が大きく複雑な日本法人の担当を任されました。
具体的なミッションは、“会社として目指すべき利益水準”と“各事業部の実力値”を見比べ、次年度の利益計画を策定し、達成に向けて実績をフォローしていくこと。事業を俯瞰して一気通貫で担うという点で本質的に事業企画と変わりはありませんが、報告の相手は、事業部長から副社長へと変わりました。
そして、ここでもやはり目線の切り替えに苦労しました。報告先は経営のトップですが、各事業部にもそれぞれの立場があります。
たとえば、機能部を起点とした投資です。機能部というのは、我々経営管理部や人事部のように事業部に属さずに全社横断で管理業務を行う部門。技術開発、工場機能改善、事務作業DX等、全社横断での投資を担っています。そして、この機能的なコストは各事業部の負担です。つまり、事業部から見れば、自分たちの計画とは別の投資が発生するということなのです。
一つひとつの投資は本来的に反発を生むようなものではありません。だからこそ、ただ「負担をお願いします」と伝えるのではなく、丁寧な説明が必要になります。ここで事業部での経験が活きました。かつての失敗を思い出し“対話”のステップを踏んだのです。
まずは、各機能部にコスト増加の要因をヒアリング。要点を押さえて事業部が納得できる内容に整理し、資料を作成。工場の機能改善であれば、「生産がスムーズになります」と。事務作業のDXであれば、「業務効率が上がり残業時間が削減されます」といった具合です。
投資の背景と目的を説明し、事業部がどんなベネフィットを享受できるのか、粘り強く説明しました。相手の立場になって考え、対話をあきらめないことの価値をあらためて感じました。
大切なのは、やはり各々の目線を忘れてはいけないということです。逆に経営側に報告をする際も、現場で起きていることをわかりやすい形で説明しなければいけません。経理部から受け取った数字や技術的な専門用語をただ並べるのではなく、その内容を理解し、自ら判断して概念化させていく必要があります。いわば情報に息を吹き込むような作業です。
難しい局面はありますが、事業計画でトップと渡りあった経験も、原価企画で現場を深く知った経験も活きている。事業部で大きな裁量を持たせてもらったからこそ、スケールが大きくなっても課題を乗り越えられるのだとあらためて思います。
経営や事業の責任の一端を担い、その入口から出口まで主体者として関わっていく手応えと喜びには代えがたいものがあり、自らの成長を感じ続けることができています。
経営管理部で磨きたいスキルはまだまだたくさんありますが、将来的には海外拠点へ赴任してグローバルな経験を積みたいと思っています。海外での仕事はより現場に近く、仕事の裁量も広がると聞きます。これまで事業部全体・会社全体の計数を見てきたマクロな目線を活かしながら、よりミクロな世界に入り込んでいきたいと思っています。
8年の経験を通して感じたことは、「デンソーなら何でもできる」ということです。事業部に属すれば技術や製品と至近距離で社会貢献性を感じられ、全社の経営に関われば単独売上3兆円超というビッグスケールの舵取りも経験できます。
そして、小さな仕事も大きな仕事も、すべてチームで挑むのがデンソーのスタイルです。どんな課題があろうとも、そばには技術がいて、営業がいて、相手の目線になって対話し、一丸となって解決していきます。仲間を思いやる文化はどのポジションにいても感じました。
経営層と話していても、「こういう仕事は残業が増えるからやめよう」「給料を上げていこう」と、現場をすぐそばに感じているのだとわかります。入社前に私が心惹かれた印象そのままに、皆常に相手のことを考えて仕事をしている、だからこそどんなチャンスも掴める——それがデンソーという会社なのだと思います。
これから仲間になる方へ



















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