Group talk

個人の強みを発揮しながら相手をリスペクトする、
チーム全員が成長するための工夫

挑戦によって実感できる“楽しさ・喜び”を大切に。

クラウドサービス開発部、デンソーテンICT技術部

  • #ソフトウェア
  • #企画・開発
  • #モビリティサービス

東京を拠点に、モビリティ関連ソフトウェアサービスの企画・開発を行うクラウドサービス開発部。
チームのゴール向かって皆で取り組む中、淡々と仕事をこなしていくのではなく、一人一人が仕事を通して成長する楽しさを感じられる工夫をしています。
今回はそんな彼らが、チームワークと仕事の進め方について話します。

クラウドサービス開発部 石田 冨田 吉田 有竹 島津
デンソーテン ICT技術部 迎

チーム一丸となって内製でシステムを開発するクラウドサービス開発部。
システムを構築するソフトウェアエンジニアのチームと、企画などを行うビジネス部門のチームなどがあり、プロジェクトに応じて連携。実績の一つとして2020年に運転スコアリングアプリ「yuriCargo」を開発。
部のメンバーには、通信機器メーカーから2018年にデンソーへ転職した石田をはじめ、サイトリライアビリティエンジニアの冨田、ソフトウェアエンジニアである吉田といったキャリア入社メンバーの他、エンジンECU向けの基盤ソフトウェア開発を経て社内異動してきた有竹、学生時代にコンピューターサイエンスを学び新卒でデンソーに入社した島津などが在籍。また、デンソーテンの迎も同社のプロダクトのプロダクトオーナーとしてクラウドサービス部に大きくかかわる。

右から石田 冨田 吉田 有竹 島津 迎(冨田、迎はWeb会議で参加)

目指したいチーム像とは

いいチームというのは成果を生み出すだけではなくて、皆が喜びに満ち溢れた“楽しい”チームだと考えています。

ここで言う、楽しいというのは、仕事において楽をするということではありません。
自分のスキルが上がり、出来なかったことが出来るようになったとか。やったことがないことをやってみたら何とか出来たとか。
挑戦をして成長を実感する時に感じる楽しさ・喜びを大事にしたいと思っています。

メンバーを見ていると皆自分なりに勉強しています。
「俺勉強してるぜ!」と自慢する人はいませんが、次の週に必要なことを定時後にコソっと自習してたりします。

そんなメンバーお互いの姿勢を見ることで、誰かから「技術を磨きなさい」と、とやかく言われなくても、各々自分の技術を磨き高め合っています。
そうして一人ひとりの成長が積み重なることで、チームの能力も生産性も上がってくるので、成果も出やすくなります。

ただし僕たちのチームでは、仕事を誰か1人の責任にして「お前1人で自学して成長しながら頑張れ」と突き放すのではなく、「チーム皆で向上していこう」という体制を意識し取り組んでいるんです。

一人で頑張れではなく、みんなで助け合い、チームで成長する

みんなが成長できる工夫の一つとして、仕事のアサインの仕方があります。

プロジェクト達成のために細分化されたタスクを、チームメンバーみんなが“順番”に取っていく、というルールがあります。自分の得意なタスクを選り好みして担当するのではなく、必ず優先順位の高いタスクからとっていきます。

また、もし自分の順番がきた時に、今の自分の知識や技術ではクリアできないタスクが回ってきたときも、別のメンバーにパスすることはできず、必ず自分が取り組まなければいけません。

苦手なこともやらないといけないのはしんどそうだと思われがちですが、僕たちのチームでは「うわぁ、すっげぇ大変そうなタスクの担当になったー!笑」と、むしろ盛り上がるんです。

苦手なタスクが回ってきたときは大変ではありますが、それは成長のチャンス。
そんな時、担当者の自助努力に任せきりにするのではなく、みんなできちんとサポートします。

常時チームでZoomをつなげっぱなしにしていて、分からないことがあったら、いつでもすぐに質問を投げかけられる環境を作っているんです。

大変な時は「助けてほしい」と、出来ない時は「出来ない」と、誰でもどの役割の人でも当たり前のように言いますね。

助けを求める声が上がった時は、やり方を知っている人が教えたり、サポートとしてもう一人担当者を増やしたり、といったように解決法が上がってきます。
特定の人にしか聞けない状況より、オープンに相談できる状況を作る方が、解決が早いです。

担当者がタスクをこなせるようになるまでチーム全体でサポートすることで、本人はスキルが上がって成長の実感として感じ取れますし、次に同じ様なタスクが回ってきたとしてもひるむことなく取り掛かれます。

この仕組みが生まれたのも、そうしないとチームが回らないというのがありました。
このタスクを出来るのが一人だけだと、その人は全然休みを取れず、どんどん負荷がかかってしまう。
また、その人が異動や転職でチームから抜けてしまい、このタスクは他の誰も出来ないという状況になると、プロジェクトが成り立たなくなります。

そうならないよう予め構えておくのが、チームとしても健全だと考えています。
そのため、自分のスキルアップだけを考えるのではなく、皆で助け合いながら向上することを意識しているんです。

質問し合える雰囲気のベースとなる、コミュニケーションのハードルを下げるために

オープンな質問の場があると伝えましたが、機会を作るだけではなく、発言する心理的なハードルを下げる工夫も行っています。

例えば、新しくチームに入ったばかりの時、「これ聞いていいのかな」とか「これ知らないのは恥ずかしいのかな」と思った経験があると思います。
その時に「わからないことは何でも聞いていいよ」とわざわざ口に出さなければいけない時点で、そのチームの雰囲気作りは“うまくいっていない”ように思います。

新人だけでなく中堅・ベテランの人も、「分からない」と言う事はかなりハードルが高いですよね。
そういった壁を乗り越えやすくするために、普段から自分の考えていることを、プライベートを含めてさらけ出し会話することで、「チーム内でこのレベルの話をしても受け止めてもらえる」と思える雰囲気が作れるよう心掛けています。
その雰囲気があることで「わからないので教えてほしい」などといった色んな課題を打ち上げやすくなるんです。

僕たちのチームでは毎週振り返りの時間をとっていて、この1週間の良かったことや課題に思ったことを話します。
話題はプロジェクトの話だけではなく、全く別のプロジェクトの話や私生活の話、食べておいしかったラーメンの話など、ごく日常の話も。

時に愚痴っぽくもなることもありますが、それをきっかけに雑談を広げています。
目の前の仕事の話だけにとらわれすぎないのが良いのかもしれませんね。

メンバー同士で、気軽に雑談をはさみながら進めていけることに心理的な安心感があります。
これまでWeb会議で声だけでしかコミュニケーションをしておらず、実は今回のインタビューで初めて顔を合わせるメンバーもいるんですが、初対面とは思えないくらい気軽に喋ることが出来ます。

顔を見なくても雑談を重ねていたおかげで会話のハードルは下がっています。

そんな気さくに話せる間柄のチームですが、時々メンバー同士で意見が対立することも。
ヒートアップしてきたなと感じる時は、それを見ている一人が「なんか空気悪いね」と突然言って、一旦止めに入ります。
対立している意見の内容をみんなで図に書き、冷静に内容を整理しながら話し合うんです。こうすることで解決に導くことができます。

同じ人が意見を主張していると平行線になるので、そのように第三者の視点を入れること、視覚化することで議論に客観性をもたせることは、解決の1つとして有効だと思っています。

逆に、ぶつからないというのも、言いたいことを言えていない状態でもあるので良くないです。
ディスカッションの中で、相手を否定せず意見同士をぶつけることはむしろ良い事です。
"何かあれば周りが冷静に整理してくれる"という安心感があれば、それぞれが自由に発言できるようになると思います。

どんな意見でも話せるチームの根底にある、相手を尊重する気持ち

困りごとであっても、些細なことであっても、対立する意見を言っても、自分が責められる不安がない。チームで働くためにいろんなことをみんなで言い合えることは大切なんだ、という価値観を共有しています。

その根底にあるのはHRT(謙虚・信頼・尊敬)。
自分とは違う魅力や強みを持っているメンバーをリスペクトしています。

サポートし合いながらみんなで成長していくことがこのチームの喜びなので、意見を頭ごなしに否定して成長を妨げるようなことはしませんし、「こんなこともわからないのか」と、できないことに対して誰かを責めたりすることもないです。
「俺の方が先輩だから・立場が上だから言うことを聞け」と威張るような人もいません。

一人ひとりに平等に挑戦のチャンスがあり、メンバーと協力しながら成長していけることは、とても"楽しい"ことだと思っています。

これからもその楽しさを大切にしてサービスの開発を続けていきます。

あとがき

チームメンバーが年齢役職関係なくお互いに意見し合える、いい意味でみんなが並列の関係性であるクラウドサービス開発部。
彼らのチームワークがうまくいく理由の一つとして"穏やかな人が多いこと"を上げていましたが、決してそれぞれが個性を出せていないわけではありません。
「メンバーの中にはイニシアチブを取りたい人もいるが、他メンバーの意思もくみ取りながら推進している。また、自分の技術や強みに自信を持っている人は、自分の知識を披露することを喜びに感じつつも、相手をリスペクトして発言している。」と語ります。
そんな風に自分を出しつつも相手を尊重しながら進めていく姿勢が、チームで楽しく働いていける秘訣なのかもしれません。