Interview

安田
職種:営業
部門:営業部門
卒業:国際総合学類
本社と海外拠点を繋ぎ、一つのチームへ
私は入社以来、本社の市販事業統括部に所属し、世界各国のデンソー海外拠点をターゲットにした製品戦略の企画・立案に携わってきました。市場トレンドを読み解き、「どの国へ、どの製品を、どう展開するか」というグローバルのロードマップを描く仕事です。
デンソー製品を世界に広げていくダイナミックな仕事に大きなやりがいを感じる一方で、仕事を進める中で、本社の戦略と海外拠点との間に視点の違いが生まれる場面にもたびたび直面しました。
本社は中長期の視点から合理的な提案をしますが、海外拠点は目の前の顧客ニーズや、販売現場の事情など、日々向き合う現実があります。 Web会議を重ねる中で、お互いが同じ目標を持っているはずなのに、背景となる状況の違いから意思疎通が難しく感じることもありました。
そのもどかしさを感じる中で、私はこう考えるようになりました。「同じデンソーとして事業成長を目指しているからこそ、双方の状況をより深く理解できれば、より良い判断や戦略に繋がるのではないか」。そして次第に、「関わるすべての人が、気持ちよく仕事ができる環境をつくりたい」という想いが強くなっていきました。
海外拠点の実情を現地で体感し、本社と海外拠点の双方の視点から最適解を導ける存在になりたい。この想いが、海外トレーニー制度に挑戦しようと考えた原点です。
留学経験こそなかったものの、海外で働くことは自分の成長テーマの一つでした。
周囲にも海外志向のメンバーが多く、自然と「自分もいつか」と思うようになっていたのです。デンソーには海外トレーニー制度を活用してキャリアを広げてきた先輩たちが多くいます。「苦労も挫折もたくさんあるけれど、その先には必ず見たことのない景色が広がっている」。先輩からいただいたその言葉に背中を押されました。
「本社と海外拠点が、互いの強みを活かしながら協働できる関係を築きたい。お互いを尊重し、知り、最高のコラボレーションを生み出せる関係を、私が橋渡し役となって築いていきたい」。この志を胸に、海外トレーニー制度への応募を決意しました。
徹底した事前準備と家族帯同が心強い挑戦の土台に
赴任先の欧州拠点でトレーニーとして価値を発揮できるよう、赴任前には製品理解の深化と社内ネットワークの構築の両面で準備を進めました。
まず、これまで自分が担当していない製品についても積極的に学び、欧州拠点が抱えている課題をヒアリング。自分の欧州での担当範囲にとどまらず、できるだけ幅広い製品知識を身に付けることを意識しました。これは、自分の業務で直接関わるメンバーに限らず、欧州拠点の誰にとっても“困ったときに相談できる存在”でありたいと考えたためです。どの場面でも価値を発揮できるよう準備を重ね、信頼関係を築くことを意識していました。
同時に、本社の製品担当者や技術者と新たに関係を築くことにも注力。欧州で困ったときに相談できる相手を増やし、必要なときに日本側の知見やサポートを得られる体制をつくっておくことで、欧州拠点と本社を繋ぐ役割を果たせると考えたからです。
こうした準備に集中できたのは、会社のサポート体制が非常にしっかりしていたからです。複雑なビザの手配から現地での住居確保まで、会社がバックアップしてくれました。生活面の基盤を会社が支えてくれているという安心感があったからこそ、現地でどのように成果を出すかという点にエネルギーを注ぐことができました。
また、今回の赴任では夫とともに渡航する家族帯同という選択をしました。仕事だけでなく生活面でも支え合える存在がいることは、海外での新しい環境に挑戦するうえで大きな心強さになり、初めての海外赴任への不安は次第に「まずは挑戦してみよう」という前向きな気持ちへと変わっていきました。
製品をゼロから。本社と現地を巻き込み、ワンチームで挑んだ市場開拓
赴任先の欧州拠点での私の任務は、BEV(バッテリー式電気自動車)の普及が進む欧州市場において、需要拡大が見込まれるCAF(キャビンエアフィルター)の新製品を立ち上げることでした。プロジェクトリーダーとして、市場分析から販売戦略の策定、サプライヤー選定、製品立ち上げまでを一貫して推進する役割を担いました。
しかし当初、現地のセールスメンバーの反応は決して前向きなものばかりではありませんでした。すでに販売している他の製品がある中で、新製品の拡販には慎重な意見も多かったためです。
そこで私は、本社の方針を推進するだけの立場ではなく、現場に寄り添いながら市場開拓を進める“伴走者”でありたいと考えました。
欧州各国の拠点を訪問し、セールスメンバーとともに顧客を訪問する中で、ユーザーが感じている不満やニーズを直接拾い上げ、課題を一つひとつ整理していきました。このプロセスを丁寧に共有することで、次第に信頼関係が生まれ、「この製品でビジネスを成長させたい」という共通の目標がチームの中で広がっていきました。
同時に取り組んだのが、本社メンバーに現地の状況を正確に伝えることでした。メールやオンライン会議、数値だけのレポートでは、欧州の道路環境や顧客の使い方、競合製品が支持されている理由といった“現場の温度感”までは十分に伝わりません。
そこで私は、顧客から聞いた生の声や市場の状況を具体的に共有しながら、設計者をはじめとする本社メンバーが状況をイメージできるように工夫しました。疑問にはタイムリーに回答し、やり取りを重ねることで、「なぜこの製品・仕様が必要なのか」という共通理解を形成していきました。
こうして本社と欧州拠点の認識がそろうにつれ、意思決定や開発のスピードも徐々に高まり、プロジェクトは前進。本社と欧州拠点が一体となって動く“ワンチーム”の手応えを感じることができました。
また、プライベートでの経験も仕事に良い影響を与えました。休日に夫とヨーロッパ各地を訪れ、その土地の歴史や文化に触れ、多様な価値観の背景を知る機会が増えました。文化的な背景を知ることで、それまで無意識に「自分とは違うもの」として捉えていた価値観が、すんなりと腑に落ちるようになったのです。
異文化を知識としてではなく、実際に経験したことで、仕事でのコミュニケーションもよりスムーズになりました。こうした経験は、多国籍のメンバーと協働するうえで大きな自信に繋がったと感じています。
現地現物で得た視点を、本社からグローバルへ繋ぐ
帰任した現在は、本社でグローバルプロジェクトを担当し、欧州、アメリカ、東南アジア各国、中国、オーストラリア、中近東、中南米など、各海外拠点と連携しながら業務を進めています。
海外赴任前は、本社と海外拠点との間に生じる認識の違いをどこか遠いもののように感じていました。しかし今は、そうした違いは決して特別なことではなく、それぞれの市場環境や立場の違いから自然に生まれるものだと理解しています。
欧州拠点での経験を通じて、現地のメンバーがどのような環境で働き、どのような課題に向き合っているのかを現地現物で学ぶことができました。だからこそ今は、本社と海外拠点の双方の視点を踏まえながら、最適な進め方を一緒に考えることができるようになったと感じています。
現在の業務で私が大切にしているのは、相手に寄り添った納得感のあるコミュニケーションです。たとえば、欧州で成功したCAFの販促モデルを他の海外拠点へ展開する際も、「本社の方針だから」という伝え方はしません。現地で実際に経験したプロセスや成果を具体的に共有しながら、「この取り組みなら他の海外拠点でも応用できるのではないか」と対話を重ね、それぞれの海外拠点が前向きに取り組める形を一緒に模索しています。
本社と現地を分けるのではなく、同じ目標を追う“ワンチーム”として動く。この姿勢こそが、グローバルプロジェクトを円滑に動かす鍵だと信じています。
また、英語や海外拠点とのコミュニケーションに不安を感じている本社のメンバーと海外拠点の想いや熱量を繋ぐことも、今の私の大切な役割の一つです。立場や言語が異なるメンバー同士が理解し合い、同じ目標に向かって動き出した瞬間には、チームとしての大きな力が生まれます。そのプロセスを支える存在でありたいと考えています。
これからも、現地現物で得た視点を活かしながら、本社と海外拠点を繋ぎ、グローバルで価値を生み出す仕事に挑戦し続けていきたいと思っています。
これから仲間になる方へ



















海外で挑戦する機会と価値を、あなたにも
海外での仕事に挑戦すると、言葉の壁や文化の違いに戸惑うこともあります。
それでも、現地でしか得られない経験を通じて、物事の捉え方や仕事の進め方に新たな視点が加わります。
デンソーには挑戦を任せ、支える環境があります。海外トレーニー制度で踏み出す一歩は、きっとあなた自身の可能性を大きく広げてくれるはずです。