Interview

坂東
職種:ITデジタル
部門:ITデジタル部門
専攻:経済学部 マネジメントシステム学科
会社の“動脈”を守る──間接材調達の基幹システム
私は、デンソーグループにおいて国内外で利用されている、間接材調達の基幹システムの企画・運営に携わっています。製品の製造に不可欠な資材の調達業務は、デンソーの安定供給の鍵を握る重要な仕事のひとつ。
私が携わっているこのシステムは、資材の中でも“間接材”の調達に特化したもので、発注から請求までを一貫して管理しています。調達担当者はもちろん、間接材の発注元の製造部門、資材を供給いただく取引先企業の方々まで、さまざまなポジションの方が利用するシステムです。
つまり、製品の生産から支払いに至るまで、健全な企業活動を支える “動脈”のような存在の一つと言えます。
私は、3年程前にこのシステムの担当となって以来、導入から安定運用まで一貫して担ってきました。ユーザーからの問い合わせやシステムへの改善要望を踏まえ、「どうすればより便利になるか」を考え、開発チームを巻き込んでシステムの利便性向上と安定稼働を実現しています。加えて、将来を見据えたシステム投資の検討も私の重要な役割。日々の安定稼働・利便性向上と、未来に向けたシステム投資の戦略企画をいかに両立させるか、そこが基幹システム担当の腕の見せどころです。
それを実感したのが、旧システムのサポート終了を契機に実施した、新システムへの移行プロジェクトです。数万人が利用するシステムをクラウドへ移行する取り組みは社内でも前例が少なく、チャレンジングなプロジェクトでした。
将来的なAI活用等によるさらなる利便性向上を見据えての移行でしたが、移行直後には現場から「従来のシステムに慣れているので、慣れるまでは時間がかかりそうだ」という声が。そこで、短期的な使いやすさも損なわないよう、Power BI(データ可視化ツール)を活用するなど、様々な打ち手を組み合わせながら現場への浸透を行っていきました。
この経験での一番の学びは、“現場を理解すること”の重要性です。「システムが使われる現場では何が起きているのか」「何が求められているのか」という実態を理解しなければ、当然ながら現場で活きるシステムを構築することはできません。私が所属しているITデジタル部門からの視点だけでなく、ユーザーである調達部門の視点に立って考える。ユーザーに直接ヒアリングできる環境があるからこそ、“現場視点”と“IT視点”とを行き来しながらシステムの改善に向き合うことができます。
そして、まさにこの“現場視点”こそが事業会社のIT部門が持つ特徴なのです。会社全体と現場の双方を間近に見て理解したうえで、「どこに投資すれば効果が最大になるか」「どうすれば会社全体の仕組みが良くなるか」といった経営に近い視点で構想を描き、それが数字としてダイレクトに返ってくる。そしてそれが製品の品質やモノとして目に見える形になるのは事業会社の中でもメーカーだからこそ味わえる"手触り感”だと思います。
また、メーカーの中でもデンソーは従業員数が多く、システムのユーザーも数万人を超えるほどの規模です。その一人ひとりがシステムを使い、それぞれの業務を遂行することで、世界中の完成車メーカー・クルマユーザーに多数の製品を提供しているのです。社内システムと言えども、その影響範囲は社内にとどまらず、産業や社会全体に波及するスケール感を持っていることが、デンソーIT部門の魅力です。
交通事故死亡者ゼロを実現できる場所を求めて
私のキャリアの出発点は、小学生の頃の出来事に遡ります。愛犬が目の前で交通事故に遭い、必死に抱きかかえて病院へと駆け込んだ日。その日を境に、私にとってのクルマが“楽しい場所へ連れていってくれるもの”から、“使い方次第では命に関わるもの”に変わりました。そして「交通事故をなくしたい」という想いが、私の中に芽生えたのです。
自分の想いを実現できる進路を考える中で、私がメーカーに関心を持った背景には父の存在があります。父は瀬戸大橋の建設に携わり、橋を渡るたびに「この橋は俺たちがつくったんだ」と誇らしそうに話していました。自分の手がけたものが形として残り、人の役に立つ。その姿を見て、自分がつくったものが社会を良くしていく仕事がしたいと感じ、前述の私の想いと重なるのが、自動車関連のメーカーなのではないかと思うようになったのです。
交通事故ゼロを目指したい。その実現手段として、社会に広く影響を与えられる環境に身を置きたい。
就職活動でデンソーを第一志望にしたのは、先進安全技術を通じて交通事故死亡者ゼロを目指し、さらにサプライヤーとして、世界中のクルマ社会に影響を与えられると感じたからです。完成車メーカーではなく部品メーカーを選んだのも、特定のクルマユーザーに限らず、社会全体に安全を届けられると考えたからでした。内定をもらったときは、「あの日抱いた想いにまた一歩近づけた」と感じたのを覚えています。
現場とシステムを繋ぐ役割
入社して最初に携わったのは、社内アプリケーション開発基盤の企画・構築や、海外を対象とした開発者向け教育、物流系Webアプリの開発です。実際にコードを書いたり、海外拠点に仕組みを説明したりしながら、システムが現場とどう繋がっているのかを掴んでいきました。
実務に触れる中で見えてきたのは、「現場のやり方とシステムの仕様との間には、どうしてもギャップが生じる」ということ。そして、その“ギャップ”を埋めることこそが私の役割なのだということでした。
現場の要望、システム側の制限をそのまま開発に落とし込むのではなく、影響範囲や将来への波及も踏まえながら最適な形を探る。そうした姿勢で業務に臨んだことで、物事を“点”ではなく“流れ”で捉える視点を身に付けました。
その後、3年目のブラジル赴任は、私にとって大きな挑戦でした。海外拠点を対象にした開発者向けの教育に携わる中で、実際に海外で“生の業務”に触れてみたいと考えるようになっていきました。そんな中、丁度ブラジル拠点におけるミッションが立ち上がり、喜んで手を挙げました。
赴任後の役割は、グローバル生産管理システム刷新に向けた調査。ブラジル拠点でのIT関連業務やデータ管理は、メンバー個人への依存度が高い状況だったため、状況を可視化し、日本側へ報告することが求められました。
しかし、当初は困難の連続。日本側への報告を急ぐあまり、現地での関係構築よりも調査を優先してしまい、メンバーたちに「監視されている」と受け取られてしまったのです。情報共有は滞り、ついに調査は一時停止。
危機感を抱いた私はメンバーを集め、学んだばかりの拙いポルトガル語で「この拠点の未来のための取り組みだ」と涙ながらに伝えました。想いが伝わるにつれて、「坂東さん、応援するから一緒に頑張ろう」と少しずつ協力者が現れ、最終的には現地社長もIT改革に意欲的になり、調査は再び動き出したのです。
社会では、よく「信頼関係なくしては仕事はできない」と言われますが、それを身に染みて実感しました。経営やITの視点のみで物事を考えても、システムが動く“現場”のメンバーたちを疎かにしていては、信頼関係も生まれず仕事も前には進みません。自分の想いを直接届けることができる距離で、現場との信頼を築けたことは、本当にありがたい経験だったと思っています。
未来を思い描き、経営を動かす力にする
基幹システムの企画・運営、ブラジル拠点でのIT改革をリードする経験を通して、私は”現場で働く人”と”経営”の双方の最適を追求するためには、目先で動いているシステムに向き合うだけでなく、未来を見据えて今を考えることの重要性について考えるようになっていました。
現在担当している間接材調達システムの運用では、既に形になったシステムを「どのように更に良く使うか」を整えます。一方で、「どんな姿を目指すのか」「その実現に向けてどのようなシステムをつくるべきか」といった根本的な議論は、もっと前段の企画で行われます。運用に携わるほど、「企画の段階から関われば、もっと広い視点で価値を出せるのではないか」と考えるようになりました。
現場とシステムの間にあるギャップを埋める責務に邁進した経験、ブラジルで業務フローを整理しながら現地のメンバーと信頼を築いた経験——これらは、関係者と対話を重ねながらより良い方向へ仕事を動かしていく力を育ててくれました。IT領域のみではなく業務全体を俯瞰し、ありたい姿の実現に向けて取り組む姿勢は、企画フェーズにおいて不可欠だと思います。
今後は、これまでの経験で身に着けた力を活かし、最上流のシステム構想企画に携わりたいと考えています。現場が抱える漠然とした課題を丁寧にすくい上げ、目指す姿を描き、システム企画や投資の方針策定へと落とし込んでいく。その役割こそ、自分の経験が最も活きる領域だと考えています。また、再び海外にも挑戦したい気持ちがあります。ブラジルで文化や価値観の違いを乗り越えた経験を土台に、今度は経営に近い視点で現地の業務を理解し、それを取り入れながら企画を進めていきたいと思っています。
これまで私は、入社前の想像を大きく超える、多様な経験をしてきました。その一つひとつの経験を通じて視野が広がり、挑戦の幅も大きく広がっていきました。挑戦を繰り返し、事業に貢献し続けていくことが、やがてデンソーの掲げる“交通事故死亡者ゼロ”という目標に繋がると信じています。デンソーは挑戦の機会にあふれた会社。安心して、思い切って飛び込んでほしい。これから仲間になる皆さんには、そう心から伝えたいです。
これから仲間になる方へ



















心から尊敬できる仲間と挑戦できる場所
まず自信を持って言いたいのは、デンソーが本当に魅力的な会社だということです。
どの部署にも尊敬できる上司や仲間がいて、日々刺激を受けながら成長を実感できます。
若手にも海外出張や海外赴任を含む挑戦の機会が豊富で、世界に挑みたい方には理想的な環境です。
ここでぜひ、自分の可能性を存分に広げてください。