“世界を変える加工技術”の研究開発に挑む
私が所属する部門では、要素技術(素材、形状、加工など、製品の開発に必要な基本技術)のうち、主に 加工技術の研究開発を手がけています。
ミッションは“コストを抑えて最大限に性能を引き出す製造方法”の研究と、“改良を加えた次世代型新製品”の開発です。中でも、私たちのチームは金属の溶接やバリなどの除去に用いられるレーザー加工に関する新技術の研究開発を担っており、私は微細形状を高精度に加工する技術を担当しています。
レーザー加工には、一般的な機械加工にはない特徴があります。それは、ミクロン単位(1μm=0.001mm)で加工できるという点です。刃物や工具を使って加工する機械加工は、硬い素材、もろい素材、金属、セラミック、半導体材料などの加工には適さず、万能な方法とは言えません。しかし、レーザー加工はどんな素材にも対応できる、ポテンシャルを秘めた加工技術です。
「この加工技術が実用化すれば、世界が変わる」。そんな想いで日々研究開発に取り組んでいます。
大学や国の研究機関、メーカーなどと共同研究開発をはじめとした技術交流も盛んに行っていることに加え、生産ラインや加工機の設計・製作、技術採用や材料に関する意見交換なども行うため、関わる部署も多岐にわたります。
印象深いのは、新技術の新製品適用に向けて関連部署とチームを組んで切磋琢磨したこと。多くの関係者の声が集まることで、私たち開発者側の視点だけでなく、お客様の視点で課題に向き合うことができました。実際に製品までつくり込んで試作評価を行えたことも、私にとって大きな成果となっています。
この経験を通して、他部署と連携して開発を進める重要性を深く理解できたことは、私にとって非常に有意義なものとなりました。私の今後の挑戦に繋がる貴重な財産にもなっています。
チャレンジ精神と判断力を養える、フレキシブルでオープンな環境
私たちの業務は、実験・評価と、その結果を次の実験へ繋げていくというサイクルで進めます。そのため、基本的にはオフィスに出勤しての作業が中心です。
一方、たとえば実験データ分析のように、必ずしも出社が必要でない作業を行う日は在宅勤務にするなど、自分で柔軟に調整しています。日によってタイムスケジュールは異なりますが、チームワークが大切な仕事なので、朝一番はチームMTGで始まることがほとんど。その後、企画立案・論文検索・報告書作成などの作業系業務、実験、社内外との打ち合わせなどさまざまなタスクを調整しながらこなしています。外部研究機関や共同研究パートナーと実験評価や議論を行う機会もあるので、平均すると月に5日ほどは出張していると思います。
年次にとらわれず、率直に意見を交わせる風土も魅力です。チーム内には“上司と部下”という関係がありながらも、自分の現況や考えを上司と気軽に共有し、それに対して具体的なフィードバックを受けることができます。上司のサポートのもと、一人ひとりに適切な裁量が与えられているため、自分の意志で行動・判断できることも、私たちのチームの特徴の一つです。私自身、「どのような実験・評価をするか」の判断に加え、大学をはじめとした社外研究機関への相談・連携は、自分の裁量で進めています。
自分のアイデアで行動できる環境だからこそ積極的にチャレンジしやすく、それが成長の手ごたえにも繋がっていると感じます。
移動時間という概念のない未来へ
私がデンソーへの入社を希望したきっかけは、大学生のときに遭った交通事故から来ています。
当時、事故で足を骨折してしまい、時間をかけて苦労しながら通学する日々を送っていました。その頃から、「移動のためだけに使う時間を減らせないものだろうか」と考えるように。それが、やがて“移動時間という概念のない未来を実現する”という夢へと繋がったのです。
その夢を追い求める中で、自分の専門である加工技術やデータ解析技術を活かせる場所を就職先として探しました。材料系メーカー、自動車関連メーカー、ITサービス系メーカーなど、さまざまな企業の説明会やインターンに足を運びましたが、最終的にたどり着いたのがデンソーでした。夢を実現する上で鍵となるのは、自動運転技術だと考えたからです。
たとえば、自宅前に待機する自動車に乗り込むだけで安全に目的地に到着できれば、移動中の時間を有効活用でき、“移動時間”という概念はなくなります。自動運転に必要な多くの製品を製造し、なおかつモノづくりに特化した研究開発部署があるデンソーが最適だと感じました。
入社後は志望していた部署に配属され、間接的ではありますが、自動運転に繋がる業務に関わることができています。日々の自分の仕事を通じて、「実現したい未来に近付けている」という実感があり、非常にやりがいを感じています。
積み重ねたスキルを武器に、新たな技術を身に付けたい
入社当初、自分の専門性を活かそうと意気込みを持っていましたが、入社後には意外なスキルが身に付きました。
それは、他人に頼ったり甘えたりすること。
どんな業務も、1人では完結しません。周囲をうまく巻き込むことが業務をスムーズに進めるための鍵になると、社会人になってから実感しました。他部署との連携が多いデンソーだからこそ、そう感じる機会は多いかもしれません。
もちろん、学生時代に身に付けたスキルは活かせています。専門性以外の部分で言えば、たとえばExcelやPowerPoint (エクセルやパワーポイント)です。仕事ではこれらを使用する頻度が高く、学生時代には見やすいグラフや分かりやすい資料の作成方法を学んできたので、とても役に立っています。また、社会人になると情報を効果的に伝える能力も非常に重視されるので、大学院で外部発表の経験を積んだことも大きなアドバンテージになっていると感じています。
今は担当している研究開発を完了させることが目標ですが、今後はその研究成果を新製品の実用化に繋げていくことを目指しています。また、日々大量のデータを分析する中で、データ解析の重要性を感じているので、プログラミングや機械学習に関するスキルを今よりもっと向上させたいという目標も持つようになりました。これまでも多くのスキルを身に付け、ステップアップしてきましたが、今後もさらに多くのことを学んでいきたいです。
※記載内容は2023年11月時点のものです。