現場の声に耳を傾け、働きがいを生む制度をつくる
私が所属する部門では、“技能系”社員に関する人事業務を担当しています。将来を担う人財の採用、働きがいに繋がる評価・処遇、安心して働ける勤務・労務まで、その範囲は多岐にわたります。技能系は、自らの腕でモノづくりを支える存在であり、デンソーの技術力を形づくる重要な人財です。一人ひとりがいきいきと活躍し続けられる環境を整えることが、私たちの使命だと考えています。
中でも私は、技能系にふさわしい制度づくりと、その運用改善を中心に担当しています。制度の見直しにおいては、自動車業界の動向や各種制度、法改正、他社の取り組みなど、社内外の環境変化を常に把握することが必要です。その上で、会社として目指す方向性と、現場や本人の実情とのバランスを丁寧にとりながら、“使われる制度”を設計していきます。ただルールを整えるだけではなく、社員が「嬉しい」「働きやすい」と感じられる仕組みにすることを大切にしています。
デンソーには多様な部門があり、働き方やポジションもさまざまです。そのため、制度を一律に適用することが難しい場面もあります。だからこそ、現場に足を運び、直接声を聞くことを重視しています。実際の働き方を理解し、職場ごとの課題を踏まえた制度にカスタマイズしていくことは、デンソーならではの重要な視点だと感じています。
さらに、私は2022年度から、60歳以上の社員の再雇用制度の改定にも携わっています。高齢化が進む中で、再雇用者がより働きがいを持って活躍できるよう、賃金や勤務体系などの労働条件を見直す取り組みを進めています。
現場と向き合い、リアルなコミュニケーションを重ねる
これまで最も印象に残っている仕事は、技能系の役職制度改定です。すべての技能系社員に関わる大きな制度だったため、制度導入から現場での運用定着に至るまで、現場の声を綿密にヒアリングする必要がありました。
人事の仕事は、会社としての理念や方針を踏まえて、「こうしたい」という理想論から入りがちです。しかし、そのまま現場に落とし込んでもうまく機能しない場合があります。デンソーは“現地現物”を大切にする会社であり、それぞれの職場には独自の文化や課題があります。そのため私は、職場の方々と一緒になって課題を1つずつ洗い出し、実際に使える形にまで落とし込む作業を丁寧に重ねていきました。モノづくりの現場に何度も足を運び、対話を重ねることで得られた経験は、私にとって大きな財産です。
私は文学部出身ということもあり、学生時代に培った“言葉への感性”がコミュニケーション面で役立っていると感じています。言葉の受け取り方は人によって異なります。人事として、どのように考え方を伝え、共感してもらうか。そのために、これから進める施策をどう言語化するか。社員一人ひとりの姿を想像しながら、言葉の選び方にはこだわり続けています。
時代の変化に合わせて、働きやすい環境をさらに整えていく
コミュニケーションが重要な業務が多いこともあり、所属する人事部門には自然と助け合う風土が根付いています。生産量の変動に応じた追加人員の確保など、急な対応が必要なときには、課をまたいで連携することも少なくありません。また、等級制度・賃金制度や労働法に関する勉強会が開かれるなど、スキルアップも“皆で取り組む”雰囲気があります。昼礼では和やかに会話が交わされ、プライベートで食事に行くことも多く、とても居心地の良いチームだと感じています。
対面でのコミュニケーションが欠かせない業務もあり、たとえば“現地現物”のコミュニケーションが必要な際には、全11拠点の製作所を2週間かけて巡るなど、まとまった出張を行うこともあります。一方、仕事と育児の両立のためにテレワークも活用するなど、柔軟に働いています。
こうした働き方を続ける中で実感しているのが、“働き方改革の推進に合わせ、制度を企画・整備していくことの重要性”です。仕事とプライベートの両立をさらに充実させるためにも、人事スキルの向上に努めています。まずは社労士資格の取得が、今の大きな目標です。
目に見える価値を届けたい──その想いが、私を人事へ導いた
もともと私は、「価値のあるモノを提供する、実体のある仕事がしたい」という想いから就職活動をしていました。メーカーに絞って企業を見ていたのです。
デンソーに最も惹かれたのは、“世界一を生み続けている”という点でした。時代の変化に影響され、価値を失う製品もある中で、デンソーは常に世界一を生み出し続けている。そこに「この会社なら変化に対応し続けられるはずだ」という強い期待を抱きました。
デンソーの社員の方々は、仕事の意義や面白さを自分の言葉でいきいきと語ってくれました。「こんな人たちと働きたい」と思ったことが、入社の大きな決め手です。実際に入社してからも、「自分で何かを成し遂げたい」と思う人にとって理想的な環境が整っていると実感しています。
今の私の役割は、その環境をより良く整え、アップデートし続けること。これからも、社員一人ひとりの声に耳を傾け、“働きがい”のある会社づくりに力を注いでいきたいと考えています。
※記載内容は2022年時点のものです。