個人インタビュー デンソーで活躍する姉の姿に勇気をもらった。期間従業員から正社員、そして次の挑戦へ

Profile

島田

職種:生産関係職

所属:製造部門

専攻: 聴覚総合支援学校 生活情報科

  • #障がいのある方へ
  • #インタビュー

世界に届ける品質を守る。出荷検査への責任と誇り

私は現在、スパークプラグ(エンジン内で火花を飛ばし、燃料に着火する部品)の出荷検査を担当しています。所属する出荷検査部門では数十人が2チームに分かれ、月に約数百万台もの製品を検査し、世界中の自動車メーカーへ送り出しています。

スパークプラグは、自動車のエンジンを動かすために欠かせない重要部品です。私たちが担当する出荷前の目視外観検査は、お客様のもとへ製品が届く前の最後の品質確認工程。デンソー製品の品質を支える重要な役割を担っています。

検査で大切にしているのは、一つひとつの製品を正確に確認することはもちろん、「不良品が含まれているかもしれない」という意識を常に持ち続けることです。良品であることを保証すると同時に、不良品を見逃さない。その責任感を持ちながら、日々の業務にあたっています。高い集中力と忍耐力が求められる仕事ですが、自分がデンソーの品質を守るという意識を持って取り組んでいます。

私には聴覚障がいがあります。前職でも自動車部品の検査業務に携わっていましたが、仕事に慣れる一方で、「このまま同じことを繰り返していて、自分は成長できるのだろうか」という思いが強くなっていきました。そんな時、大きな刺激を受けたのが、同じ聴覚障がいを持つ姉の存在です。姉はデンソーで働きながら技能を磨き、アビリンピック全国大会で優勝し、世界大会にも出場しました。努力を積み重ね、自ら可能性を切り拓いていく姿を見て、私は強い衝撃を受けました。正直に言うと、尊敬だけではありませんでした。「このままでいいのだろうか」「自分ももっと成長できる場所があるのではないか」そんな焦りにも似た気持ちもありました。そして、「自分も挑戦したい」と思い、デンソーへの転職を決意しました。

もちろん、聴者の中でうまくやっていけるだろうかという不安もありました。心配を抱えながら入社しましたが、その不安はすぐになくなりました。職場の仲間は、私に合わせてゆっくり話してくれます。時には身ぶり手ぶりを交えながら、伝わるまでコミュニケーションを取ってくれ、一人の仲間として接してくれています。必要な配慮はある。でも、それだけではない。仕事では責任ある役割を任せてもらい、高い目標に挑戦する機会も与えてもらえる。障がいの有無ではなく、その人自身を見てくれる環境がデンソーにはありました。だからこそ私は、安心して挑戦することができます。

「何度やってもできない」。それでも諦めなかった先に見えた成長

デンソーに入社した当初、私は自分の力不足を痛感しました。前職でも検査業務に携わっていましたが、スパークプラグはこれまで扱っていた製品よりもはるかに小さく、検査方法も求められる精度も全く異なっていました。慣れるまでには時間がかかりましたし、作業要領書の手順を覚えることも、決められた時間内に検査を終えることも、最初はうまくいかず、焦りや不安を感じる日々が続きました。そんな私を支えてくれたのが、職場の先輩たちの言葉です。何度も伝えてくれたのは、「練習するしかない」「体で覚えるしかない」ということ。毎日繰り返し練習し、一つひとつの動作を確認しながら経験を積み重ねる。少しずつ検査のコツが分かるようになり、以前は終わらなかった作業を時間内に終えられるようになりました。振り返れば、”諦めずに続ける力”も身に付けることができた時間だったと思います。

私が品質を守る上で最も大切にしているのが、”止める・呼ぶ・待つ”の徹底です。少しでも「いつもと違う」と感じた時には、まず作業を止めて自分だけで判断せず、仲間や上司を呼ぶ。確認が終わるまで待つ。一見すると当たり前のことですが、この基本動作こそが品質を守る最後の砦だと考えています。不良品を見つけた時、その情報は職場全体で共有されます。なぜ起きたのか、どうすれば防げるのかをみんなで考え、改善に繋げていく。その積み重ねが、月産数百万台という規模で世界中に届けられる製品の品質を支えています。

目視外観検査の仕事で最もやりがいを感じるのは、「今日も不良品が流出しなかった」と報告を受けた瞬間です。小さな発見がお客様の安全を守り、デンソー製品への信頼を守ることに繋がる。そう考えると、一つひとつの検査の重みをあらためて実感します。日々の練習と、少しの違和感も見逃さない意識を積み重ねてきたことが、正確さを保ちながら時間内に検査を終えられる力となりました。それが結果として、チームや会社全体の品質を支えることに繋がっていると感じています。

期間従業員から正社員へ——チームとともに納入不良ゼロを達成した

2023年3月に期間従業員としてデンソーに入社し、2026年1月に正社員に登用されました。大切にしていたのは、正社員登用のために特別なことをするのではなく、目の前の仕事と真剣に向き合うこと。チームの一員として感じた違和感や、自分なりの改善案を積極的に発信するようにしていました。

正社員への登用が決まった時、職場のみなさんが自分のことのように喜んでくれました。これまでの積み重ねが認められたという実感も相まって、とても嬉しかったです。それと同時に、デンソーの一員としてもっとがんばっていきたいという気持ちが強くなりました。

そして同じ頃、チームとして2025年度納入不良件数ゼロを達成しました。職場では会社支給のスマートフォンによる情報共有が徹底されており、品質・安全に関する情報が一人ひとりに毎日届きます。不良事例の共有や見直しも組織全体で行われ、一人の気付きを全員の学びに変え、過去の経験を次に生かす文化があります。こうした仕組みとチーム全員の品質意識が重なって、納入不良件数ゼロという結果に繋げることができました。障がいの有無に関わらず、チームの一員として同じ目標に向かって働ける環境があったからこそ、この大きな成果の一端を担うことができたのだと、とても誇らしく感じています。

アビリンピックへの挑戦。その夢の実現に向けて成長を続けたい

今、私には新たな目標があります。まずはパイロットチェック業務の習得です。パイロットチェックとは、検査の前に各ブースに製品を振り分ける、コミュニケーションが多く求められる仕事です。検査以外の仕事も覚え、できることの幅をもっと広げていきたいと思っています。

そして最大の目標が、アビリンピックへの挑戦です。その第一歩として、まずは技能検定の合格を目指しています。今はそこに向けて先輩方の経験談を聞きながら準備を進めています。姉も私と同じ聴覚障がいがあり、アビリンピックに挑戦してきました。県大会では3位、2位、そして1位と着実に成長し、その後は全国大会、さらには世界大会へと挑戦しました。その姿を私はずっと近くで見てきました。その姿が本当にかっこよく、私も後に続きたいと考えています。

挑戦したいという想いさえあれば、夢は実現できる。それを同じ障がいを持つ人たち、そして聴者の方たちにも伝えられる存在になりたいと思っています。デンソーには、挑戦したい気持ちがある人に、その機会を与えてくれる環境があります。障がいの有無に関わらず同じ目線で情報を共有し、同じ目標に向かって働ける。その安心感があるから、自分の夢に向かって踏み出せると感じています。

これから仲間になる方へ

仲間と共に、高い目標に挑戦し続けていきたい

障がいの有無は関係ありません。デンソーには、挑戦を後押しする風土があります。最初は不安でも、職場の仲間が丁寧に支えてくれます。「自分らしく働き、高い目標に挑戦していきたい」。そんな気持ちを持つ方と、ぜひ一緒にお仕事がしたいと思います。