半導体事業の成長とデンソー全体の競争優位のための新組織
クルマの電動化を支えるパワー半導体。デンソーは、半導体の開発・製造からクルマへの搭載までを見据えたモノづくりを続けてきました。半導体への期待が世界的に高まるなか、より幅広いお客様と向き合い、その声を次の事業や開発につなげ、社会に新たな価値を届けていく。その役割を担うために立ち上がったのが、半導体の拡販を担う組織です。 デンソーが本格的に拡販へ力を入れ始めたのは2024年から。
これまで支えてくださったお客さまへの貢献を大切にしながら、より幅広いお客さまと対話する。そこで得た気づきを技術やモノづくりに生かし、より大きな価値としてお客さまや社会に還元していく。その積み重ねが、デンソー全体の競争優位にもつながっていくと考えています。
最前線に立つ室長の手賀と担当係長の山﨑が、立ち上げ期ならではの挑戦と面白さを語りました。
キャリア入社の二人が、デンソーを選んだ理由
手賀:前職の総合電機メーカーに新入社員として入社した頃から、半導体一筋でキャリアを歩んできました。前職では鉄道向けのSiC(炭化ケイ素)パワー半導体に携わっていました。
半導体は、国際学会で発表された技術が数年後には市場に出て、お客さまの反応が返ってくる。そのスピードの速さが何よりの魅力です。SiCがクルマで使われていく未来はすでに見えていて、「車載向けに大きく羽ばたかせたい」「半導体ビジネスそのものを成長させたい」と考えていました。
そのときに報道で知ったのが、デンソーとトヨタ自動車の電子部品事業統合でした。実際にモノをつくり、クルマに載せるところまで手掛けられるのはデンソーだと感じたのです。新たな挑戦の場として強く惹かれ、2020年に入社し、統合チームで第3世代と呼ばれるSiC素子のコンセプト設計から携わりました。苦労も多くありましたが、参画してよかったと心から思えました。
山﨑:前職は産業機器メーカーで産業用インバーターの技術営業をしていました。転職を考えたきっかけはコロナ禍の半導体不足です。半導体が不足しインバーターの出荷が滞る中で、半導体こそが“キーコンポーネント”だと痛感しました。
そのため、インバーターに関わる半導体製品に携わりたいと考えていました。それに携われるのが、デンソーでした。半導体とインバーターの両方を手掛け、クルマから脈々と「半導体はどうあるべきか」が語られている。社内に上位システムのノウハウがあることは、提案の差別化にもつながる強みです。
顧客の最前線で戦略を描き、事業の成長に直結させる
手賀: 現在、拡販組織の室長として、パワー半導体の製品戦略と拡販戦略をけん引しています。私たちの業務は、国内外の完成車メーカーへの半導体素子拡販と、お客さまからいただいた要望を開発へフィードバックし、そこで得た情報をもとにした将来のパワーデバイス事業の戦略立案です。お客さまのもとへ自ら足を運び、直接対話する窓口を担っています。
お客さまとの打ち合わせには、私たちだけではなく、開発・設計のメンバーが一緒に参加し、お客さまの声を素早く開発・設計にフィードバックさせる体制を取っています。 加えて、産業機器向け拡販や特許戦略などの業務も担当しています。
一番のやりがいは、自分たちの活動がお客さまへの貢献につながり、その結果が売上や利益、事業の成長として目に見えることです。 プレッシャーは正直ありますが、お客さまとの対話で「一歩進んだ」と感じる場面があるからこそ、辛さと同じだけ楽しさもあります。
山﨑:私は国内外の完成車メーカーなどへパワー半導体の拡販を担当しています。お客さまへの提案、開発部署と連携した技術仕様の合意、担当顧客ごとの拡販戦略の立案・実行が主な仕事です。戦略の軸は、お客さまの求めていることを深掘りし、それに対して差別化ソリューションをどう提案するかです。素子単体の性能で商品の競争力を高める方法もあれば、他の製品と組み合わせることで新たな強みを生み出す方法もあります。お客さまに、より高い価値を届けるため、さまざまな提案を考え、実行しています。
それを実践するにあたり、お客さまとどう進め、どこを巻き込み、どんな戦略を描くかは、基本的に私自身に任されています。大きな裁量を持って、自分の意思で新しいことに挑戦し、それを事業につなげていける。その結果がお客さまに届き、前向きな反応をいただけることに、大きなやりがいを感じています。こうした挑戦するところまで任せてもらえる。そこも、デンソーではたらく魅力のひとつです。
立ち上げ期ならではの挑戦。事業部の総力で道を切り拓く
手賀:立ち上げ期の今は、「何を売るべきか」「どの顧客・市場を狙うべきか」「どんな体制が必要か」を仲間と議論しながら形にしている段階です。技術力が強いお客さま、調達力が強いお客さま、内製化を志向するお客さまなど、さまざまなお客さまがいらっしゃいます。私たちの製品をどのようなお客さまに、どのような価値として届けられるのかを探っていく経験は、今だからこそできる貴重な機会です。
そして、拡販は私たちだけでは成り立ちません。技術ディスカッションには開発・設計、数量や原価作り、物流には製造、価格作りには企画、監査対応には品質保証の力が欠かせません。拡販は、事業部の総力戦であり、事業部全体の力を結集して成し遂げられます。まさに、デンソースピリットである「先進、信頼、そして総智・総力の精神」が試されていると感じています。
山﨑:入社して3ヶ月ほどが経った頃、お客さまからとある案件にて、最終回答を求められる場面がありました。拡販を始めたばかりで前例がなく、誰も正解を知らない中でのトライだったので、厳しいご指摘をいただくこともありました。それでも関係者とスピーディーに話して現状を一つずつ把握し、納得できる案をつくって上申し、合意していく。それを繰り返すうちに、なんとか回答することができました。前例がないなら、毎日少しでも前に進めばいい。そう実感しました。
一つのプロジェクトには自部門含めて7~8部門、数十人が関わります。最初はそれぞれが違う方向を向いていますが、よく話して情報がそろえば、ベクトルは自然と合っていく。一つになったときのデンソーの底力は、本当にすごいと感じます。
時差も子育ても柔軟に。キャリア入社者が溶け込む風土
手賀:フレックスタイム制や在宅勤務制度を活用しており、時差のある海外との打ち合わせは早朝に自宅で済ませてから出社したり、早めに帰って夜の会議に臨んだりしています。メンバーの約3割がキャリア入社で、前職は多種多様。この仕事は多くの部署とのコミュニケーションなしには進まないため、キャリア入社の方にはまず「顔と名前を覚えてもらうこと」を大切にし、関係部門との会議に積極的に参加してもらっています。
半導体の詳しい知識は技術部がサポートしますし、30年、40年と半導体に携わってきたベテランから学ぶ機会もあります。
山﨑:転職者の受け入れに慣れた社員が多く、面識のない方でも気軽に打ち合わせに応じてくれるので、入社してすぐに溶け込めました。毎週の勉強会など知見を共有する場も多く、仕事が“個人商店化”せず、チームで仕事ができるところがよいところだと感じます。
働き方も柔軟で、共働きの子育て世代も多くいます。私自身、毎朝子どもを送ってから出社していますし、同じように家庭の事情に合わせて9時半ごろに出社する人もいます。また、休暇も取りやすく、長期休暇には九州の実家に帰省するなど、家族との時間も大切にできています。
パワー半導体は未経験で、転職には非常に迷いました。それでも入社して多くの知見を得て、自分自身の成長につながったと感じています。
自ら動き、将来の事業を切り拓く仲間へ
手賀:立ち上げ期の今は、一人ひとりの経験やアイデアが事業の方向性を大きく左右する貴重なタイミングです。正解が決まっていないからこそ、周囲の応援を受けながら自ら考え、行動する面白さがあります。将来の事業を自分たちの手で切り拓きたい方は、ぜひ飛び込んでください。一緒にデンソーの新たな未来をつくりましょう。
山﨑:まずは応募して、一歩踏み出してみてほしいです。その先で、自分の人生にとってどの道がよいのかを考えても遅くありません。前例のない仕事だからこそ、最初から答えがあるわけではありません。それでも、毎日少しずつ前に進めば、道は自分たちでつくっていける。そんな思いを持って前に進める方と、一緒に拡販の基盤をつくっていきたいです。

