国境も時差も越えた連携力で挑む、営業の最前線
私の所属部署では、日本を代表する自動車メーカー3社の営業を担当しています。クルマづくりにおいて、部品の安定供給はとても重要です。そのために、お客様から長期的な発注数量の情報を早期に入手し社内で共有するなど、納入管理の徹底が必要になっています。私は、クルマのスマートキー用ECU(電子回路を使ってシステムを制御する装置)をはじめとする車両制御ECUの価格折衝や、開発管理・納入管理を主務としています。デンソーは、自動車分野において多様な製品を取り扱う、数少ない総合サプライヤー。そのため、多くの製品やお客様と関わるので、得られる知識や経験も実に豊富です。
これまでの業務で特に印象に残っているのは、デンソー・スウェーデンで大手外資系自動車メーカー向けの営業を担当していた際、コンペで他社との価格差をはね返して受注に成功したことです。それは、新技術を提案する場面でのことでした。デンソーはコスト面で他社に対して大きなビハインドを抱えており、お客様の調達担当者からは「この価格差であればデンソーは選択肢に入らない」との厳しい評価をいただいていました。一方で、設計担当者からは「もっと詳しく知りたい」と技術に強い関心を示していただいたのです。そこで、価格差の背景を丁寧に説明しつつ、技術の先進性や開発サポート体制の手厚さを粘り強く伝え続けました。お客様と私はスウェーデン、設計部隊はアメリカ、企画部隊は日本とそれぞれ離れた場所にいましたが、国境や時差を越えて緊密に連携し続けた結果、最終的に受注を獲得。諦めずに挑み続け、チームワークを発揮して成果を出せたことは本当に嬉しかったですね。
現在はメンバーの業務管理や育成も任されていますが、指導にあたっては、なぜその業務が必要なのか、次の工程や関係者にどのような影響を与えるのかを丁寧に説明することを心がけています。自分の行動が及ぼす影響範囲や最終的なゴールを具体的にイメージしてもらうことで、主体的に工夫しながら業務に取り組み、やりがいを感じてもらえると考えているからです。これまでの経験の中で感じてきた当社ならではの面白さを、後輩にも伝えていきたいと思っています。
世界に誇れるモノづくりを目指して
私が“モノづくり”に強く惹かれるようになった原点は、大学時代のアメリカへの留学経験にあります。現地の学生や留学生から頻繁に「やっぱり日本のパソコンやテレビの品質はすごいよね」と声をかけてもらっていました。日本人として、日本の技術力が世界で高く評価されていることが誇らしかったです。この体験がきっかけとなり、「将来は日本のモノづくりに関わり、世界に誇れる製品を届けたい」という想いが芽生えました。
その想いから、就職活動では大手企業を中心に応募を検討しました。売上規模が大きく、グローバルに事業を展開する企業ほど社会に与える影響も大きく、自分の仕事が世の中のためになると考えたからです。中でも、技術力と品質の高さで評価されている自動車関連メーカーや家電メーカーに強く惹かれました。
デンソーを選んだ決め手は、文系出身の私でも、モノづくりに深く関われる環境があると知ったことです。営業職であっても、製品を販売するだけでなく、開発段階から議論に参加して製品づくりの根幹に携われるという話を聞き、やりがいがありそうだと感じました。多くの海外拠点を持ち、日本の内需に依存せず世界を舞台に成長し続けられる企業であるという点も魅力的でした。留学を通じて海外経験が自身の視野を大きく広げることを実感していたため、社会人としてもグローバルな環境で自分の力を試したいという想いもありました。
入社後、海外営業部で海外拠点とのやり取りを日常的に行う中では、学生時代に培った英語力が大いに役立ちました。英語での電話対応や調整業務など、実務を通じて語学力と対応力をさらに磨くことができたと感じています。加えて、“論理的思考力”という新たに獲得したスキルもあります。デンソーでの仕事の中で、課題に直面した際には、“なぜ”を繰り返して原因を深掘りする姿勢が自然と身に付きました。問題解決にとどまらず、より良い方法を模索し、継続的な改善に繋げていくことが習慣になっています。「どうしてこれをやっているのだろう」「もっといいやり方があるのではないか」と最善を追い求める力は、品質にこだわり続けるデンソーの環境が育んでくれたものです。
若手が育ち、多様な働き方が息付く職場文化
現在所属しているチームには、入社間もない社員も多く配属されており、20代の若手社員が中心となって活躍しています。職場は活気があり、過度な緊張感はなく、上司に相談すれば親身になって応じてくれる環境です。たとえ若手社員がミスをしてしまった場合でも、「一緒に解決策を考えよう」という前向きな姿勢で建設的に話し合っています。また、私自身も、定期的に後輩が気軽に相談できる時間を設けており、悩みや課題をその都度解消できる体制も整えています。このように若手の成長を後押ししていく文化は、私の所属部署に限らず、デンソー全体に共通している魅力です。
働き方の面では、私は週1~2日程度の在宅勤務を取り入れています。出社時と在宅時で業務内容に大きな差はありません。一方で、Web会議と対面での打ち合わせでは、コミュニケーションの質が大きく異なると感じています。そのため、対話の質を重視すべき打ち合わせでは、可能な限り対面で話すことを心がけており、週に1回ほどは群馬にある担当顧客のもとへ出向くことも。在宅と出勤を柔軟に組み合わせることで、業務の質を高められるよう工夫しています。
また、我が家は共働き家庭のため、子育てと仕事を両立するためにフレックスタイム制度を活用しています。保育園への送迎を積極的に行っているほか、業務は早朝や子どもの就寝後に調整するなど、限られた時間をやりくりして効率的に成果を出す意識が独身時代以上に高まりました。業務量の調整についても上司と相談しながら進めています。休日には子どもの習い事に付き添ったり、一泊二日の旅行に出かけたりするなど、家族との時間を大切にするよう心がけています。
第一線の営業から、チームを導くリーダーへ
これからも営業としてのキャリアを軸に、経験を重ねていきたいと考えています。営業の現場では、難しい課題に直面し、試行錯誤を重ねながらお客様と議論を交わすことも少なくありません。しかし、最終的に課題を解決できた際にいただく「ありがとう」という言葉は、何ものにも代えがたいやりがいを感じさせてくれます。また、自らの提案が形となり、製品として世の中に広く普及していく過程を目にしたときには、新たな価値をユーザーに届けられている達成感を得ることができます。その手ごたえを糧に、これからも一つひとつの提案に向き合い続けたいと思います。
さらに、リーダーとしてもステップアップし、チームをより力強く牽引できる存在を目指していきます。チームが大きな課題や困難に直面した際には、メンバーの心を引っ張って解決へ導けるリーダーでありたいです。難局においては、単に行動を促すだけでは人の心は動かず、真のチームワークは生まれません。一人ひとりの性格や立場、置かれている状況を丁寧に理解した上で、適切な言葉や助言を届けることこそが重要だと感じています。そうした立ち回りで“人をやる気にさせるスキル”を磨いていきたいです。社内には、「この人のために頑張りたい」「この人についていきたい」と自然に思わせてくれる先輩が多くいます。その先輩方をお手本にしながら、姿勢や行動を自身の営業スタイルに落とし込むことで、チーム全体の成果を高められる存在へと成長していきたいです。
※記載内容は2023年11月時点のものです。