2017年入社
上村 柚衣(かみむら ゆい)
開発 エレフィシス事業部
Interview
新卒でアスモ株式会社(当時)に入社した上村さん。2018年のアスモとデンソーの事業統合により、大きな環境変化を経験しました。デンソーのエレクトリフィケーション=電動化事業に携わるなかで貫くCore(らしさ)とは?Core Discoveryチームが話を伺いました。
2017年入社
上村 柚衣(かみむら ゆい)
開発 エレフィシス事業部
上村さんのキャリアの歩みを教えてください。
アスモでは、デジタルエンジニアリング(以下、DE)を活用した開発業務に携わっていました。例えば、アスモの主要製品であるモータ開発のシミュレーションや解析などです。2018年に事業統合でデンソー社員になってからは、DEのスキルを活かし、エレクトリフィケーション=電動化システムの開発に携わっています。
DEとは、具体的にどういったものでしょうか?
従来の製品開発は、実際に試作品を製作し、熱や振動が製品に与える影響を検証していました。これに対してDEの利点は、コンピュータ上でシミュレーションができること、そしてスピーディに結果をフィードバックできることです。より短期間・低コストでエンジニアの皆さんが設計できるようなプロセスを開発しています。
電動化という言葉は、ニュースでも最近よく耳にしますが、どんな技術ですか?
ハイブリッド車(エンジン+電気)やプラグインハイブリッド車(エンジン+電気+充電機能)に代表される様に、クルマのパワトレイン(駆動、操舵、制動)における電気の役割が高まっています。その中で、電気だけではなく運動・熱それぞれのエネルギーを効率よく活用することで、より地球環境に優しく、高い走行性能を実現する技術です。
なるほど。
それらの技術が機能するためには、モータやインバータといった製品を、それぞれ単体ではなく統合したシステムで束ねることが必要です。その中で私は、その電動化システムのデータ解析・検証を行う業務を担当しています。
上村さんが、仕事を進める上で大切にしていることは何でしょうか?
「自分が納得できるまで聞く・考える」ことです。
何かきっかけがあったのでしょうか?
最初のOJT担当の方が、仕事を丁寧に教えてくれたのがきっかけでした。やり方を1から10まで教えるというよりも、原理原則をしっかり理解するよう指導していただいたんです。
今、車両やシステム全体の視点で仕事をする中で、1つひとつの製品や成り立ちを理解する大切さを痛感しています。人から説明頂いた内容でも、鵜呑みにはしない。「本当にそうなのかな?」と少しでも疑問を感じたら、放っておかずに確認するようにしています。
強いこだわりを感じますね。
そうですね。私なりの「エンジニアとしてのこだわり」があるんです。大学の時はシステム工学専攻で、機械工学や製品に関する知識は全くなくて…。入社後は何とか追いつこうと、一から勉強しました。社外のセミナーや勉強会にも参加します。あらゆることを分かっていないと物事が正しいか分かりませんし、自分が納得できないと人にきちんと説明できませんよね。
2017年12月にアスモはデンソーとの事業統合を発表しました。当時を振り返って、率直にどんな気持ちだったのでしょうか?
正直なところ衝撃的で、「これからどうなるんだろう」という不安があったのは事実です。会社名はもちろん、仕事も勤務地も変わりますから。でも、アスモの好きなところがたくさんあった様に、デンソーに飛び込んでみたら見つかることもあるんじゃないかと。
前向きにとらえたわけですね。
そうですね…。求められるアウトプットが変わることへの緊張もありましたが、「やってみないと分からない」という気持ちでした。
勤務地も変わられたんですよね?
はい。湖西(現・デンソー湖西製作所)に残る知人も多かった中、私は本社へ移ることになりました。知らない方ばかりの職場に飛び込んだわけですが、私は人と仲良くなるのが比較的得意なこともあって、心配はしませんでした。
確かに、お話していてもそう感じます。
日々教えて頂くことばかりなので、きちんと関係を築くことができるように心がけています。
これからどんなエンジニアを目指したいですか?
まず今は、目の前のやるべきことを、きっちりやりたいです。やりきるために勉強したいこともたくさんありますよ。分析のアルゴリズムだとか、興味があるものは追求していきたいです。
電動化も、これからより注目を浴びますね。最後にこれから就職を考えている学生へのメッセージをお願いします。
EV(電気自動車)はまだ一家に一台のレベルで普及しているわけではありません。そこにはきっと何か課題があるはずで、エンジニアとして挑戦しがいがあると思います。
だからこそ、みなさん電動化にもっと興味を持ってほしいです。先ほどお話したように、電動化に携わることでクルマ全体のことが分かりますし、幅広い技術分野を勉強できます。そして、浅く広くというよりも、技術屋というか、こだわりを持ったサプライヤーだからこそ出来ることがあると思っています。