仕事を知る
営業
文系出身の営業職がものづくりに参画。社内と顧客をつなぎ、新製品の普及に尽くす
業務内容
東京第1営業部はどんなお仕事ですか?
東京第1営業部は日産自動車様、SUBARU様、三菱自動車様の3社を担当しています。私はSUBARU様向けのクルマのスマートキーのECU(電子回路を使ってシステムを制御する装置)を始めとした車両制御ECUについての価格折衝/開発管理/納入管理を担当しています。半導体不足と言われる昨今では、部品不足に陥らないよう、お客さまから長期的な発注数量の情報を入手し、社内で共有するなどの納入管理も大切な業務です。
その中での窪さんの役割
SUBARU様の車両制御ECUの営業チームでリーダーを務めています。自分の担当製品の拡販/開発管理に加え、メンバーの業務管理や育成も任されていて、OJT(仕事を通じた指導)を進めています。指導に際しては「とりあえず、やってみて」と突き放すのではなく、なぜその仕事をやらないといけないのかをしっかり説明するように心がけています。「これをしたら、次にこういう人がこんな作業をする」「こうしなければ、この人たちがこういう風に困る」と、自分が及ぼす影響の範囲や最終目標を具体的にイメージしてもらっていますね。そうした方が、本人も仕事で工夫しやすいでしょうし、やりがいも感じやすいと思っています。
当社は自動車関連で多様な製品を扱っている、数少ない総合部品サプライヤーです。この会社で営業を担当していると、実に多くの製品やお客さまと関わるので、知識や経験をたくさん蓄えられます。お客さまの思いを丁寧にすくい上げて当社の該当部署に伝えるなど、社内を引っ張っていくような役目もあります。このような働きがいを、後輩たちに伝えていきたいですね。
これまでで一番印象的だったお仕事は?
デンソー・スウェーデンでボルボ様向けの営業を担当していた時、コンペで他社との価格差をはね返し、ボルボ様からの受注に成功したことです。
とある新技術のコンペにおいて、デンソーはコスト面で他社に対して大きなビハインドを負っていました。ボルボ様の調達担当者からは「この価格差であればデンソーは選択肢に入らない」と評される一方、ボルボ様の設計者からは「もっと教えてほしい」と熱心に聞かれたんです。ここで諦めることなく、価格差の説明を進めながら、技術の先進性や開発サポートの手厚さをアピールし続けた結果、受注を達成できました。お客さまや私はスウェーデン、設計部隊はアメリカ、企画部隊は日本と、それぞれ離れた場所にいたのですが、諦めることなく次の手を協議し、実行に移し、良いチームワークを発揮できて本当にうれしかったですね。
働き方
職場環境や雰囲気はどんな感じですか?
今所属する東京第1営業部は、入社から間もない社員が配属されることが比較的多く、20代の社員が目立ちますね。職場には活気はありますが、いやな緊張感はなく、上司に相談しても親身になって応じてくれるような環境だと思います。若手が困っていたりミスしたりした場合は「一緒に解決策を考えていこう」と助け船を出し、建設的に話し合っていきますね。この部署に限らず、デンソー全体がそのような風土だと感じています。
ワークスタイルについて
私は週1~2日のペースで在宅勤務をしています。出社時も在宅でもやることはほぼ一緒ですね。ただ、Web会議と顔を合わせた打ち合わせとではコミュニケーションの質は大きく異なるので、人との対話がとくに重要な打ち合わせの際には、直接顔を合わせるようにしています。私はSUBARU様担当なので、週1回ほど東京から群馬に出張しています。
わが家は夫婦共働きのため、私もよくフレックス制度を使い、保育園へ子どもの送り迎えをしています。平日でも子どもが保育園から帰ってきて寝るまでの間は、極力一緒に遊ぶように心がけています。仕事は子どもが寝た後や起きる前にするなど、調整しています。独身時代は完全に自分のペースで仕事をしていましたが、今ではより効率的に短時間でやる意識が芽生えましたし、業務量の調整についても上司と相談させてもらっています。
休みの日の過ごし方
子どもの習い事に付き添ったり、一泊二日の旅行に出かけたりしています。週末は家に居れば必ず夕食の準備をしていますね。料理が趣味で、チャーシューやローストビーフを作るのが好きなんです。何時間もじっくり時間をかけて煮込んだり、オーブンで焼いたり。時間をかけて料理に集中していると、嫌なことも忘れます。
就職活動
就職活動はどんな風に進めていましたか?
大手を中心に、関心のある企業の説明会に頻繁に足を運びました。最終的には自動車関連や家電のメーカーなどにエントリーシートを出したように思います。
大手をめざしたのには、理由があります。売り上げ規模が大きく、グローバルに展開しているような会社ほど世の中への影響力があり、働く側としても自分の仕事が社会のためになっているという実感が得られると思ったからです。とくに最も希望していたメーカーで言えば、技術力などがあると評価されている会社ほど、やはり大手です。なので、自然と心惹かれました。
どうしてデンソーを選んだのですか?
私のような文系出身者でも、ものづくりに携わることができるとわかったからです。デンソーはものを売るだけでなく、製品の開発段階から議論に参加できるという話を説明会で聞き、やりがいがありそうだと感じました。
ものづくりへの憧れは、大学時代の留学がきっかけです。アメリカに1年間滞在した時、現地の学生や留学生からよく「やっぱり日本のパソコンやテレビの品質はすごいよね」と言われていたんです。海外の人たちから一目置かれていることが、日本人としてとても誇らしかったです。
海外拠点が多い会社であることも魅力的でした。将来的に、日本の内需だけでは会社の発展は難しいと思いますので、海外でも認められているような力のある会社で働きたかったんです。そして自分自身、留学したことで、海外経験は生きる上での糧になると実感したので、社会人になっても外国で力を試したいと考えました。
仕事で役立ったスキル、入社後に身に付けたスキル
学生時代に留学を含めて英語の習得に力を注いだので、国内外の業務で役に立っています。たとえば入社後初めて配属された東京第2営業部では、海外拠点とのやり取りが非常に多く、頻繁に英語で電話する必要がありました。
入社してからは、論理的な思考力が身についたように思います。いわゆる「なぜなぜ分析」ですね。何か問題が起きたとき、なぜそれが起きたのかと、「なぜ?」を繰り返すことによって、根本の原因を掘り起こしてきました。その結果、問題の解決だけではなく、物事の改善にもつながるんです。「なんでこれをやっているんだろう」「もっといいやり方があるんじゃないか」と最善を追い求めるようになりました。
キャリアアップ
これから頑張っていきたいこと
ずっと営業をやっていきたいと思っています。その中で、チームで大きな課題に直面したとき、人々の心を引っ張って解決に導くような「スキル」を身につけられたらと考えています。
難局に際して、ただ「やりましょう」と言うだけでは人はなかなか動きませんし、いいチームワークも生まれません。相手の性格や置かれた状況を理解した上でうまく助言するといった、「人をやる気にさせるスキル」を磨きたいです。社内には「この人のために頑張りたい」「この人についていきたい」と思えるような先輩たちがいるので、お手本にしながらコツをつかんでいきたいですね。