仕事を知る
調達
お客様の生産活動の維持が調達部の使命──適正品質と最小コストでの安定的な材料供給を
業務内容
調達はどんなお仕事ですか?
部品や材料など、デンソーの生産活動に必要な物資を適切な取引先様から適正な品質を保ちつつ、決められた納期どおりに最小のコストで購入するのが調達グループの役割です。品質やコストなどの面から案件ごとに最適な取引先様を選ぶのはもちろん、国内外を問わず新たな取引先様の開拓・検討も行なっています。調達部門としてコストを下げる事だけでなく、材料を安定的に調達する事も非常に重要な業務。部材が確保できなくなれば、われわれの生産ラインだけでなく自動車メーカー様の生産活動も止まってしまうからです。調達グループの中には企画部署や部材調達部署がありますが、私が所属する資材設備調達部では原材料や生産用補助材料、設備や施設などの調達を担当しています。
その中での上田さんの役割
私は資材設備調達部の材料調達室に所属し、鉄鋼材料の調達を担当しています。調達担当として大切にしているのは、自分が担当する材料の知識を蓄えること。取引先様と対等に会話するためには、鉄鋼の原料となる鉄鉱石のグローバル市場の動きにも目配りするなど、日頃の情報収集が欠かせません。また、われわれが購入している部材のコストは、会社の直接材料費に影響します。たとえば、10億円のコストダウンに成功すれば、それがそのまま会社の利益となり、逆もまた然りです。会社の損益にダイレクトに関わる部門であることを常に意識しながら仕事に取り組んでいます。
これまでで一番印象的だったお仕事は?
インドのデンソー拠点で、トレーニーとして材料調達業務を行なった2年間が印象に残っています。インドの生産で使われる材料の中には日本から輸入している物があり、これらを可能な限り現地調達に切り替え、インド拠点の利益を創出することが私に課されたミッションの中の1つでした。インドでは、デンソーの知名度やビジネス上の慣習・常識など、日本で当たり前だったことが通用しません。インド流とデンソー流、それぞれどこが譲歩できてどこが譲歩できないか、取引先様との調整は困難を極めました。また、現地調達に切り替わっても品質は絶対守りたいので、現地現物で確認するために空路と陸路の長距離を何度も往復しました。現地で、シャワーから赤い水がでるようなホテルに何日も泊まったのはいい思い出です(笑)全てではありませんが、最後は無事ミッションを達成でき、本当に刺激的な経験ができたと思います。
働き方
職場環境や雰囲気はどんな感じですか?
メンバーが上司に対して自由に発言をしたり、わからないことがあれば気軽に相談できたりと、とてもオープンな雰囲気なので、安心して働ける職場だと思います。最近はコロナ禍でテレワーク化が進み、会社で全員が揃うことが難しくなったため、部内でコミュニケーションを活性化させるための取り組みを行っています。2週間に1回15分間、ランダムにシャッフルされたメンバーがオンラインで集まり、最近ハマっていることや、夏季休暇に何していたか、など自由に雑談をしています。出身別に集まることもあって、それはそれで盛り上がりますね。笑
ワークスタイルについて
必要な仕事を計画的に行うことができているのであれば、フレックスや在宅勤務、有休など比較的自由に利用可能です。私の例でいうと、週に2〜3日程度在宅勤務を行っており、有休も年あたり15日〜20日と計画的に取ることができています。在宅勤務の際は、仕事の合間に家事などをすることもあります。
休みの日の過ごし方
コロナで遠出はできていませんが、妻とおいしいものを食べに行ったり、旅行に行ったりしています。 また、運動不足にならないように家やジムで筋トレも行っています。
就職活動
就職活動はどんな風に進めていましたか?
親の仕事の関係で、小学2年生で渡米して4年間過ごしました。言葉が通じない中、日本の文化、トヨタ自動車様やソニー様といった日本企業の話題をきっかけに少しずつ周囲と打ち解けていきました。そんな経験もあって、自分もいつか日本の技術力を世界に発信するような仕事につきたいとの想いから、グローバルで活躍するメーカーに就職したいと考えるようになったんです。まずはさまざまな業界について知ろうと、商社や金融を含めて幅広い分野の説明会に参加。その後、本やインターネットなどで企業研究し、大学のキャリアセンターを通じてOBやOGの方に話を聞いたこともありました。
どうしてデンソーを選んだのですか?
自動車部品メーカーとしてグローバルにビジネスを展開しており、「日本の技術をグローバルに発信していきたい」という自分の考えに合った企業でした。デンソーはほぼすべての自動車メーカー様と取引があります。世界の名だたる企業と仕事ができるところにも惹かれました。また、選考の過程で出会った面接官の方々の雰囲気にも好感をもちました。事前にOBの方から聞いていた通り、落ち着いた雰囲気があり、真摯に相手の話を聞いてくださる方が多いと感じたのを覚えています。入社して10年目を迎えるいまもその印象に変わりはありません。
仕事で役立ったスキル、入社後に身に付けたスキル
調達の仕事をする中で、いま目の前で起きている問題を解決するだけでなく、将来目線で物事を分析し、事前に対策を練っておく習慣ができました。何か問題が発生しても臨機応変に対応できるようになったと思います。
私は法学部に在籍していたのですが、当時勉強した法律の知識についても、取引先様と契約を結ぶ際の助けになっています。また、大学時代のゼミで培った資料作成のスキルは、社会人になった今でも役に立っています。
キャリアアップ
これから頑張っていきたいこと
カーボンニュートラル対応や部材の需給ひっ迫への構えなど、調達の将来の戦略づくりを頑張っていきたいです。
また、取引先様に対しての基本スタンスとして“現地現物”の考え方は変わりませんが、今後は新たなやり方に順応していく必要があると感じています。たとえば、最近はオンラインで工場の工程監査をするケースも出てきました。可能な限り現地に訪問をさせていただくつもりですが、時代に合わせた仕事のやり方にも対応できるようにしておきたいですね。